[受験特集]看護学部入試のポイント
看護進学アドバイザーの小田泰之氏が入試のポイントを紹介!
2025年度 看護学部入試のポイント Vol.5
こんにちは。看護進学アドバイザーの小田です。みなさん、受験勉強の進捗(しんちょく)状況はいかがですか?今年も暖かい日が続き紅葉が遅れていましたが、最近になり各地で昼と夜の寒暖差が激しくなったこともあり葉が色づき始めました。とりわけ受験生の皆さんは油断して風邪などひかないよう健康管理には十分注意してください。外出後はうがい手指洗いを心掛け、受験本番に向けて体調を崩さないように気をつけることも受験にとって大切なことです。さて、私立大学の学校型推薦入試も一段落し今後は年明け早々の共通テストを皮切りに、私立大学でも一般選抜が始まります。今年度は、総合型(A.O・社会人)選抜や学校推薦型(公募・自推)選抜で高倍率となった大学も多数あり、人気校は一般選抜においても相当の出願者が予想されます。
※以下の文章ではAO・推薦(公募・指定校)・社会人選抜、一般選抜と表記します。
今回は小論文と英語のポイントについてまとめてみました。限られた日にちで効果的な学習を励行し、第一志望の大学に向けて精一杯頑張って、悔いのない受験をして下さい。 合格を心よりお祈りいたします。
<小論文>
看護学部のAO・推薦(公募・指定校)・社会人選抜はもちろん、私立大学の一般選抜、国公立大学の二次試験でも小論文を課しているケースが目立ちます。看護師を目指す者としての人間性・意欲・適性などを見るのに小論文は格好の選抜方法なのです。字数は200字~1200字と幅広く、出題形式は様々なので、志望校の出題傾向に合わせたトレーニングが必要です。
■出題形式
主に下記の4つに分類されます。大学における選抜試験の場合は②の形式が主流となっています。
① テーマ型
「〇〇についてあなたの考えを述べよ」のように、テーマが与えられているもの。
●医療・社会問題系・・・「闇バイト」「ドライバー不足」「2025年問題」「災害関連」「SDGs」「介護保険制度」「医療事故」「新型コロナウイルス」「環境問題」「いじめ」「あおり・高齢者の運転」「地球温暖化」「SNS関連」「虐待」「ジェンダー」「18歳選挙権」「18歳成人」」「看護師の責任」「生命」「医療従事者のモラル」「地域包括ケアシステム」「戦争」「平和」など
●自分自身にかかわるテーマ・・・「看護師を目指す理由」「看護職への適性」「将来の夢」など
●一般的テーマ・・・「コミュニケーション」「情報」「家族」「友情」「やさしさ」「学校生活」「部活動」など
②課題文提示型
課題文を読ませ、要約や下線部についての説明をさせ、考えを書かせるもの。課題文が英文の場合は、下線部についての説明や和訳を書かせるものもあります。 (大学により英文を読んで日本語で論述する場合あり)
③資料提示型
統計グラフや表などから読み取れる内容を説明させ、自分の考えや見解を書かせるもの。
④複合型
上記のものを組み合わせた形式。
※入試科目に「小論文」と設定されていなくても、「国語」の中に出題(200字~300字程度)されていることもあるので志望校の過去問をしっかりチェックしましょう。
■書き方
小論文の勉強は日頃から新聞や本を読み、興味や関心を持つことから始めましょう。継続することで興味や関心が知識へと変わり、的確な自身の意見を論述できる能力が養われます。800字程度の小論文ならば「序論」「本論」「結論」の3段落構成で書きましょう。
序論 : 問題を提起し賛否を明確にする
本論 : 自分の主張について証拠を挙げ、説明・論証する
結論 : まとめ、今後の課題や抱負についてまとめる
書き出す際には縦書き・横書きに気をつけて、漢字を駆使して誤字や脱字をチェックし、原稿用紙にルール通りに書きましょう。書き終わったものは先生や友達に読んでもらいアドバイスや指摘を受け、それを基に書き直しをすることで次第に上達します。論述能力は入学後にレポート課題の多い看護学部で役立ちます。
<英語>
大学入学共通テストはもちろんのこと、私立大学それぞれにおいて長文総合読解問題が最低1問は出題されています。文章の長さや内容は様々ですが、英語Ⅰ、英語Ⅱ、リーディング、ライティングの範囲で出題されており、基礎学力の完全克服が必要です。平均的に長文50%以上、文法問題40%前後、英作文10%前後が一般的で、長文総合問題の出題比率が高いのが最近の傾向です。また、会話文の出題があるものもあります。 大学によって傾向が異なるので、志望校の過去問を集めてチェックしましょう。解答形式は記述式とマーク式があり、それによって対策も変わります。マーク式の対策には共通テスト用の問題集が効果的です。
①単語・熟語は毎日コツコツと書きながら発音して覚えよう。医療英単語は目につけば拾い出して暗記すること。
②重要文法事項や構文(イディアム)、会話文の定型句は暗記しておこう。
②基本的文法問題集を繰り返しやり、一冊丸ごと自分のものにしよう。
③英作文では、下線部英訳問題から自由英作文までと幅広く、学校によって出題形式が異なります。志望校の出題傾向に合わせた英作文の問題集を一冊購入して練習しよう。答案は必ず学校や塾の先生に添削してもらうこと。
⑤長文読解のコツは慣れであり、短文から長文へと徐々にステップアップさせよう。一文一文理解しながら読む練習をし、わからない単語・熟語は必ず辞書を引く。慣れてきたら、それぞれの段落の大意を把握しながら英文を読むスピードを速くするように心がけてみよう。そして最後に過去問題をやって時間配分などを知り、本番の感覚をつかもう。
⑥リスニング試験を課す大学を受験するのであれば、日頃から英語の発音に慣れておこう。リスニング対策の教材を購入し、付属のCDで繰り返し何度も聞くこと。CDを流しながら自分でも声を出して発音するとより効果的です。